おとなしい夜

予定のない金曜日の夜みたいな日記

道に落ちてたもの

いつも横切るマンションの入り口近くに、薄汚れたパンダのキーホルダーが落ちていた。

本当は道の真ん中に落ちていたものを、誰かがマンションの壁に寄りかからせた感じだった。

子供の頃からそういうものを見ると、なぜだか胸の奥がちくちくして、とても悲しい気持ちになった。

街路樹の枝にかけられた人形のついたキーホルダー。公園のベンチの上に置き忘れられたぬいぐるみとか。

寒そうだな、かわいそうだな、ちゃんと持ち主のもとに帰れるのかな……と考えて、とてもさみしい気持ちになるのだった。もう今年30になるのだけれど。

でもそういうふうに思う人が多いから、迷子のその子たちは道のど真ん中ではなく、端っこのほうに寄せておいてあるのだろうか。

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今日そのマンションを横切ったら、彼(彼女)はいなかった。

誰かに拾われていたらいいな。