だれかの日記
私たちにはきっとわざわざ見に行かなくてもいい、心の中の一部があって、それは嫉妬や他人と比較する気持ちみたいな単純なものでなく、もっと深くて暗いものだと思う。
そんなつらいものを、一子さん(馴れ馴れしいかな)は全部書く。文章はするすると美しいのに、とにかく読んでいて苦しくて痛かった。「わがままだ」「でもこの気持ちわかるな」「ずるいな」「うらやましい」……他人の日記にここまで揺さぶられてしまうが不思議だ。
読みすすめるうちに、私は否他人は、誰のことを裁くことも正しいか間違っているかを判断することなんて絶対にできないのだと当たり前のことに気づいてゆく。
一子さんは本当は存在しない人で、ある1人の女性のショウを見せられているような気持ちだった。なにかを確実に残していくショウ。
彼女を頭ごなしに批判できる人は、どれだけ幸せな人なのだろうと思う。
少なくとも私の一部は彼女に似ていて、一部は全然似ていなくて、ずっと他人なのに妙に近くて苦しかった。
読むのは苦しかったけれど、一子さんも、一子さんのお子さんにも、たくさんの幸せがおとずれるといいなと思う。
最後に一子さんがカウンセリングを受けた先生の漫画。私も大好きで、ちひろさんみたいに自由でありたいと思う。自意識で苦しくなったときに読むと、ちょっと元気になる。